在宅酸素療法の費用など。在宅酸素療法(HOT)は、肺気腫などの呼吸不全の患者さんが自宅に酸素供給機を設置して治療を行なうものですが、いくつか注意点もあります。在宅酸素療法の医療費は健康保険が適用されますが、症状の適応基準が設けられています。
在宅酸素療法は、通称HOT(Home Oxygen Therapy)といいます。肺気腫などの病気が原因で酸素がうまく身体の中に取り入れられない患者さんが、医師の指示をあおぎながら、自宅に酸素供給機を設置し治療することを在宅酸素療法(HOT)といいます。家庭での酸素投与によって在宅療養や社会復帰を可能にしています。在宅酸素療法で使用する機器は、電気によって酸素を供給する在宅治療用の機器「酸素濃縮装置」と、外出時に使用する「携帯用酸素ボンベ」になります。また,酸素供給装置には,空気中の酸素を濃縮するタイプと液体酸素を使用するタイプがあり,患者さんに適したものを医師が選びます。在宅酸素療法により、息苦しさなどの自覚症状が改善し、日常生活の範囲が拡大して充実した家庭生活や社会生活に復帰することできます。また酸素吸入により心臓などの臓器を低酸素状態から守り、寿命を延ばす効果も実証されています。
在宅酸素療法の医療費は健康保険が適用されます。老人医療受給者証や重度身体障害者医療費助成制度も適用になります。保険診療となっていますので月に1回の受診が必要で、そこから在宅酸素療法指導管理料という形での保険請求になります。保険が適応されても医療費の2~3割は自己負担となります。医療保険を適用するには適応基準が設けられており、高度慢性呼吸不全例・肺高血圧症・チアノーゼ型心疾患であること、高度慢性呼吸不全の主な基礎疾患は慢性閉塞性肺疾患・肺結核後遺症・間質性肺炎・肺癌などであること、酸素吸入以外の治療が一ヶ月以上にわたり行われており安定期にあること、睡眠時や運動時に著しい低酸素血症をきたし医師が在宅酸素療法が必要であると認めた患者であること、以上に当てはまる例で在宅酸素療法の保険適応が導入されます。
在宅酸素療法は,継続して治療を行なう事が大切です。酸素の吸入流量、吸入時間は患者さんの症状にあわせて設定されていますので、勝手に酸素流量を調節したりすると血液中に二酸化炭素が溜まってしまい危険な場合もあります。安易な自己判断をせず、必ず主治医の指示に基づいて調節しなければなりません。風邪や疲れなどにより症状が悪化する場合がありますので、発熱、むくみ、体重増加がみられるときは、速やかに医師の診断を受けるようにしましょう。また、酸素吸入の際は火気厳禁です。酸素は火の燃焼を促進する性質がありますので、タバコやライター、ストーブなどの火気は近づけてはいけません。患者さんはもとより、周囲の方々も注意しなくてはいけません。